連載「問われる 社協」

rogomaku2016517 【網走ニュース】TOP

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連載「問われる 網走社協」~横領発覚から~①

服額に誤差   町連と防犯協会が明らかに

網走市社会福祉協議会の職員が、担当していた関係団体の事務資金を横領していたことが発覚後、横領された団体は独自に調査を進めてきた。本紙が入手した調査報告書によると、網走社協が当初発表した横領額と差があることが判明した。横領が報道されてから3カ月以上が経過した。網走社協は失墜した信頼を回復するために何をするのか? 網走社協の組織力が問われている。

▽入手した資料。色ペンは記者が引いた

■テレビ報道で発覚 横領は昨年11月、テレビ報道により明らかになった。報道の翌日、網走社協は報道機関に配布した資料で、横領額は7団体の計377万5068円とし、横領した職員は全額を返還したのち、退職金を支給しない論旨退職となった。

■入手した資料 本紙が入手した資料は、事務資金が横領された「網走市町内会連合会」と「同市防犯協会・網走防犯協会」の作成した、不正経理再発防止検討委員会の報告書だ。

■7万円少なく 同市町連は昨年11月21日、同団体の副会長や理事、市職員5人からなる「不正経理再発防止検討委員会」を設置(会議の記録係として網走社協職員を任命)。平成26年度から30年度までの伝票や領収書など調べた結果、横領額は「計126万1559円」とした。

網走社協が示した横領額は「133万5024円」で、「7万3465円」少ない。

■13万円多く 同市防犯・網走地区防犯協会は昨年11月28日に「不正経理再発防止合同検討委員会」を設置。委員は市防犯協会の副会長や両団体の理事、網走市と大空町の担当職員6人からなる(会議の記録係として網走社協職員を任命)。

調査の結果、23年度から29年度の横領額は計「204万5305円」とした。網走社協のまとめた「191万5357円」より、その差は「12万9948円」多かった。

■消えた公金 横領されたのは個人の財産や民間企業の資金ではなく、市からの補助金が含まれる「公金」だ。この補助金は、納税者が網走市役所に預けている公金だ。

網走社協には、”消えた公金”の行方を徹底的に調査し、その結果を納税者に公表する義務と責任がある。今回、明らかになった”差額”について、網走社協は「(検討委員会との)見解の違いもある」と答えてくれた。

網走社協という組織としての倫理観が問われている。


連載「問われる 網走社協」~横領発覚から~②

横領額の「差」、事務局「これから検討」

網走市社会福祉協議会の職員が、担当していた関係団体の事務資金を横領していたことが発覚してから3カ月以上が経過した。横領した総額について、網走社協と関係団体の調査結果が一致しないことが判明した。横領により消えた公金。そして網走社協と関係団体が示した異なる横領額。”消えた公金”はどうなるのか?

(▽網走市社協)

■7万円少なく、13万円多く 本紙が入手した網走市町内会連合会の報告書によると、平成26年度から30年度までの横領額は「126万1559円」で、網走社協発表より約7万円少なかった。また、網走市防犯・網走地区防犯協会は報告書で、23年度から29年度の横領額を「204万5305円」としたが、網走社協の示した額より約13万円多かった。

■説明責任 同市町連、網走市防犯協会の運営には網走市からの補助金が充てられ、網走地区防犯協会においては大空町の補助金も入っている。つまり、横領されたお金は「公金」である。網走社協は”消えた公金”について徹底的に調査した上で、その結果を納税者に報告する義務がある。

■処理手つかず 今回、関連団体の調査によって判明した横領金の「差額」。網走社協が発表した横領総額377万5068円は、その全額が横領した職員から同社協に返還されている。しかし今回の「差額」についてはまだ、処理が終わっていない。

横領した職員については、網走社協は刑事告発はせず、「全額返還し反省している」として論旨退職とした。しかし、関係団体の調査結果に基づけば、「全額返還」とはならない。いったい、”消えた公金”はどうなるのだろうか?

今後の対応策を考えてみた。①横領した元職員には改めて「差額分」を網走社協に返還してもらう②網走社協から横領した元職員に、「差額分」を返す③網走社協は、関係団体が示した横領額を”無視”する―など。

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同社協事務局長は2月27日、本紙の取材に対し、”差額”の対応について次のように述べた。

「(調査報告書をまとめた)関係団体からまだ(横領額について)直接言われていないので、言われてからこちらも考えます」。ただ、事務局長は関係団体の調査報告書にはすでに目を通しているという。


連載「問われる 網走社協」~横領発覚から~

着服を防げなかった理由「担当者に任せきり」

なぜ、網走市社会福祉協議会、関係団体は担当職員による横領を防げなかったのか?―。網走市町内会連合会と網走市防犯・網走地区防犯協会は報告書の中で、「担当者ひとりに任せきりにしてた」などとした。横領発覚後、網走社協の体制は改善されたのだろうか? (大・記者)

(△調査報告書の一部=色ペンは記者が引いた=)

■防げなかった問題点 本紙が入手した、同町連、網走市防犯・地区防犯協会の作成した「不正経理再発防止検討委員会報告書」には、職員による着服が防げなかった問題点が具体的に列挙している。記された問題点は、関係者からの聞き取りや同防止検討委員会メンバーの認識などを基にまとめられている。

(※着服期間について同町連は5年間、市防犯・地区防犯協会は7年間としている)

■共通点 同町連、同市防犯・地区防犯協会の指摘した「問題点」には共通する部分が多い。それは、網走社協の組織体制、公金の流れのチェック体制の甘さだ。

”共通する問題点”は次の通りだ(報告書の文言を引用)。

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▼問題点①=網走社協は、市から(同町連、同市防犯・地区防犯協会の)団体事務処理を受託しているにも関わらず、伝票回付時に収入・支出内容・金額・支払い結果を確認することはなく、収入・支出の手続きとしてだけ行っていたことで、事務処理が適正に行われていることも確認していない実態だった

▽解説=網走社協は公金を扱う団体であるにも関わらず、収入・支出・支払い金額の詳細を確認するチェック体制が整っていない

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▼問題点②=網走社協内で団体経理は、担当者ひとりに任せきりにしていた

▽解説=収入・支出など公金がのように扱われたかの”流れの詳細”を把握するのは、担当者だけであるという実態が浮き彫りになった

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網走社協はこうした指摘を受けたあと、何かが変わったのだろうか?

事務局長は2月26日の取材に対し「伝票の様式を変更した。、(担当者以外による)支出・収入額などのチェックはこれまでの月ごとを見直し、短縮する。ダブルチェックにしていく」などと答えてくれた。


連載「問われる 網走社協」~横領発覚から~完

市民への「説明」「謝罪」少なく

内部からの改革に期待

担当職員による5年以上にわたる横領を防げなかった、網走市社会福祉協議会。問題発覚後、網走社協による網走市民に対しての「説明」「謝罪」は、同社協のホームページのみとなっている。一方、横領された網走市町内会連合会は独自の調査結果をまとめた文章をすべての町内会長へ送付している。網走社協はこれから何をすべきか?―。

(▽=HPに掲載される”お詫び文”)

■HPでのお詫び 網走社協は昨年11月7日、HPに「元職員による不祥事について(お詫び)」と題する文章を掲載。神内義光会長名で「事態を重く受け止め、管理体制を一層強化し、全職員が一丸となって再発防止の徹底に努めてまいります」などと謝罪した。

今回の横領問題はテレビニュースにより明らかになった。報道後、網走社協は記者会見を開いておらず、市民に対する「説明」「謝罪」はHPだけ。HP以外に方法はないのだろうか?

■ふれ愛めーる 網走社協は年3回、機関紙「ふれ愛めーる」を発行し、全戸配布している。最新号は今年2月に発行・配布されたが、問題発覚後、この機関紙には「説明」「謝罪」の文章は載っていない。

記者がこの点を事務局長に指摘したところ、「今後、検討します」と答えた。

■208人へ 同市町連は今年2月、今回の問題を受けて設置した「不正経理再発防止検討員会」の報告書をまとめた。そして、報告書に記された「着服額」「着服を防げなかった問題点」「再発防止策」などをまとめた文章を、市内208の町内会長へ送付した。

関係者によると、文章を読んだ町内会長の一部からは「横領した元職員が悪いのは当然だが、社協という組織にも責任があるのでは」という趣旨の意見が、市町連に寄せられているという。

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取材を通じて最も感じるのは、「はっきりしない責任の所在」だ。納税者が納めた「公金」の行方がわかならくなっているにも関わらず、網走社協内には「盗んだ人が悪い」という雰囲気が強く漂う。この”雰囲気”が、市民への「説明」「謝罪」の少なさへとつながっているのではないだろか?

網走社協には”内部からの変革”も求められている。

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