どうなる、どうする網走観光


連載「どうなる、どうする網走観光」Part3 その①

長いトンネルの出口は見えるか?

衝撃の観光力ランキング 2015年5月

 

低迷する網走観光。「長いトンネルに入ったままの状態」(市内関係者)は続き、その出口に差す明かりは小さく、遠い。観光振興は地域経済の活性化に直結し、「雇用の場の確保」「新産業の創出」にもつながるはずだ。網走観光は゛再浮上゛できるのだろうか―。              (大)

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「道内15位」―。市内の観光関係者らにとっては驚きの結果だった。

今年4月、日本政策投資銀行北海道支店は「平成25年度北海道・市町村『観光力』ランキング」を発表。オホーツク管内でベスト30入りしたのは網走市と北見市だけ。

「観光地・網走市」の順位は、道内179市町村の中で15位、北見市は14位だった。

同支店の「観光力」は、訪れた観光客を<日帰り客><日本人宿泊客><外国人宿泊客>に3区分し、それぞれの平均的な観光消費額単価を基に弾き出した総合得点(ポイント)を差す。簡単な方程式による経済効果額とも言い換えられる。

網走市の「観光力」(総合得点)は689点。北見市とは77ポイントの差だった。

同支店が公開する関連資料には、10年前(平成15年度)の総合得点表も付いている。10年前、網走市は894点で、北見市は447点。ダブルスコアの差で、この時点ではまだ「観光地・網走」の面目を保っていた。

北見市が総合得点を伸ばした背景には、市町村合併があると思われる。旧留辺蘂町にある「山の水族館」人気などが観光力を押し上げたと考えられる。

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網走市観光部は先日、26年度の観光客入り込み・宿泊数を発表。いずれも前年とほぼ同様の結果だった。

市内関係者は以前から「網走全体で(網走観光に対する)危機感を共有することが重要」と指摘し続けている。

同支店が発表した観光力ランキング。危機感を共有する上で、とても重要なデータである。

From 網走ニュース

 

 

 

 

連載「どうなる、どうする網走観光」Part3  その②

26年度の宿泊率は前年比減

訪日観光客は最多網走へどう呼び込む?

網走市観光部がまとめた平成26年度の観光客入り込み・宿泊数はいずれも、前年とほぼ変わらなかった。発表資料には盛り込まれなかった宿泊率は25・4%、前年比0・2ポイントの減。一方、訪日外国人旅行者は円安などを追い風に最多記録を更新中だ。外国人を含めた旅行者を網走にどう呼び込むか―。知恵が求められている。

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網走市の26年度入り込みは141万5900人(前年比7千人増)、宿泊者は35万9846人(同718人減)。宿泊率は、市の新たな観光振興計画(26年~30年度)で示した目標「30%」との差は埋まらない状況だ。

昨年の訪日客数は1341万人で過去最高を記録。今年3月は152万6千人と、単月として過去最高を塗り替えた(前年比45・3%増)。好調な要因は、円安で外国人にとっての日本旅行が割安になったこと、そして東南アジアや中国向けに訪日ビザの発行条件を緩和したことなどがある。

網走を訪れる外国人旅行者も増えているが、国内全体の訪日客と比べると微々たるものだ。※26年度の網走市の外国人宿泊者は3万1651人

網走への外国人旅行者をさらに増やすためには何をすべきなのだろうか―。

水谷市長の肝いりとして創設された、市観光部(平成23年度)。職員がイベントの準備・運営のみに振り回されている状態を苦慮し、企画・立案機能を向上させるために誕生させた新セクションである。

観光部は27年度予算に15の新規事業を盛り込んだ。このうち、外国人旅行者の誘客に直接的につながりそうな事業に「あばしり観光国外プロモーション事業」がある。

同プロモーション事業は国の緊急経済対策を活用して実施する。 網走市はこれまでも国外プロモーションを継続している。27年度予算に盛り込んだ新規のプロモーション事業はどのような内容なのか―。次回からは、市観光部などに取材した新規事業の内容などを紹介する。

From 網走ニュース

 

 

 

 

連載「どうなる、どうする網走観光」Part3  その③

何もせず、衰退していいのか?

上川町の挑戦、参考に

網走市の平成26年度外国人宿泊者は過去最高の3万1651人だった。国内旅行者の動きが鈍る中、東アジアを中心とした外国人観光客の存在は見逃せない。網走市と同様に、かつての北海道旅行ブームから一転して低迷期をさまよった経験を持つ上川郡上川町。゛再生゛に向けた取り組みの一部を紹介する。

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上川町は人口約6千人の小さなまちだ。全国的に有名な「層雲峡」「大雪山」がある、北海道を代表する観光地である。

26年度の外国人宿泊者は21万7151人で過去最高を記録。国・地域別で見ると、台湾が最も多く約14万人、次いでタイ約2万2千人、中国約1万6千人などとなっている。

ただ、日本人客を含めた全体の宿泊数は約68万4千人で前年とほぼ変わらない。町産業経済課は「かつては年間100万人が層雲峡温泉に宿泊した。外国人観光客の存在は大きい」と話す。

外国人旅行者の誘致策として同町は、層雲峡温泉の宿泊施設と意識を統一した上で「2つの客室を1つに改修するなどし、外国人が好む『ゆったり感』を演出した」(同課)。

旭川空港や新千歳空港とを結ぶ、海外定期便・チャーター便で訪れるアジアを中心とした外国人観光客をいかに宿泊させるかが重要だという。

同町は層雲峡温泉に続く第2の観光スポットとして、大規模なガーデンの造成にも着手。昨年、本格オープンした「大雪森のガーデン」初年度の入場者は5万6千人で、北海道ガーデンショーを開催する今年度の目標は17万人だ。

ガーデンの管理・運営費として同町は、今年度当初予算に約1億円を計上。予算規模の大きさに町民から反発はないのだろうか―。

同課は「上川町がこのまま何もせずに衰退していいのか。衰退しないため第2の観光スポット(ガーデン)を造成する、という町長の強い思いで進んでいます」と即答。費用対効果について「ガーデン単体で収益を出すのは難しいが、ガーデンを呼び水に上川町全体が゛黒字゛になればいい、という考えです」

ガーデンによる経済効果については、「昨夏、市街地にある飲食店の前で順番待ちの人が並んでいた。あのような光景は(近年)見たことがない。ガーデン効果の1つだと思っています」(同課)。

From 網走ニュース

 

 

 

 

連載「どうなる、どうする網走観光」Part3 完 

観光部、創設成果の一つ「ニポネ」

宿泊者増やせるか?

観光振興とはどういうことか―。この素朴な疑問に、観光行政に長く携わった経験を持つ関係者らは「突き詰めれば宿泊者を増やすこと」と口をそろえる。企画立案機能を向上させるため、水谷洋一・網走市長が平成24年度に創設した観光部。3年間の主な成果は「(ゆるキャラ)ニポネの誕生」と「新・市観光振興計画の策定」とされるが…。

▼着ぐるみ完成の記者会見で(25年5月)

網、観光パート4―05

 

ニポネは、網走商工会議所青年部の市民公募により決定し、著作権は網走市が持つ。平成25年3月に着ぐるみが完成した。

市観光部は最近、観光振興策を企画立案する際、費用対効果にもこだわるようだ。ニポネ誕生からこれまでの関連費用はいくらなのか(25年度は実績、26、27年度は予算額)。

▽25年度=177万8千円(イベント参加助成/市観光協会に委託)

▽26年度=202万9千円(同)

▽27年度=202万9千円(同)、80万円(関連グッズ等の作成支援/同)

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ニポネの関連費用は延べ663万6千円。では、その効果は?。市観光部の回答は次の通りだ。

観光部「ゆるキャラグランプリやプロモーションなど、ニポネの露出度が増えたことで徐々に認知度の向上が図られていると認識している。ちなみに、ゆるキャラグランプリ(全国)の順位は、25年度で43位、26年度では114位となっている」

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ニポネは網走の観光振興策として誕生したのである。道警のマスコットキャラ「ほくとくん」などとは誕生の目的や活用趣旨は違うはずである。

一般市民が、その目的と趣旨を勘違いしても問題はない。ただ、観光振興に向けた戦略を練るセクションが勘違いしてしまうのは危険だ。

今後、ニポネを核にした観光振興戦略で、網走の宿泊率がどの程度上昇するのか注目される。

From 網走ニュース

 

 

 

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